麹米(こうじ米)の使用割合

日本酒の種類をまとめていて「おや?」と思ったのは、「こうじ米使用割合」という項目。これは、「清酒の製法品質表示基準」が2003年10月31日に改定されたときにできた新しい項目です。そもそも、麹米(こうじ米)の割合とは、なにに対する比率なのでしょうか。詳しくは、御意見&御意見に対する国税庁の考え方1にて触れられていたため、詳しく見てみます。


麹米(こうじ米): こうじ米とは、米こうじ(白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるもの)の製造に使用する白米をいいます。なお、特定名称の清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいいます。)が、15%以上のものに限られています。

なるほど。こうじ米の使用割合とは「白米の重量に対するこうじ米の重量の割合」をいうとのこと。酒造りを体験してやっとわかるようになりましたが、日本酒の酛をつくるために欠かせない麹米を造る作業が、なによりも大変です。生産量を増やせば必然的に造らないといけない麹米の量も比率して増えていきます。その分、人手も必要となり、コストも上がります。多くの人手を獲得できない小さな造り酒屋にとっては、手厳しいと感じる人も少なくなさそうです。

以下、御意見&御意見に対する国税庁の考え方をみてみます。

御意見の概要: こうじ米の使用割合を設けることは、1)現在販売している特定名称酒が販売できなくなる、2)今後の新商品開発に制約をかける、3)使用割合を15%以上とする根拠があいまいであることから、反対である。

御意見に対する国税庁の考え方:1. 清酒は、麹によって米のデンプンがブドウ糖に変化(糖化)したものが、酵母によってブドウ糖がアルコールとなる(発酵)ことによりつくられるものであり、この糖化と発酵が同時に行われる「並行複発酵」という他に類のない製造方法によっており、麹は清酒の製造に欠くことのできないものです。これまでは、こうじ米の使用割合を条件として定めていませんでしたが、今回の改正により「純米酒」の精米歩合の要件を廃止することから、それによる品質低下を防止するとともに、消費者利益に資する観点から、特定名称酒全体について一定の品質を確保するため、新たにこうじ米の使用割合の要件を設けることとしたものです。2. また、こうじ米の使用割合については、次のような状況を踏まえて、白米の重量の15%以上としたものです。(1)清酒もろみの糖化・発酵は、麹の生産する酵素の力価(りきか)に左右されるということから、通常のこうじ米の場合には15%以上使わないとこれらの酵素力価が不足して糖化発酵がうまくゆかないとされていること。(2) 杜氏の長年の経験則から、こうじ米使用割合を15%以上とすれば、清酒本来の酒質をもつ一応満足できる品質の清酒ができると言われていること。(3)一定以上の品質を有していると考えられる鑑評会に出品された清酒のこうじ米の使用割合をみると、最小でも15%であること

御意見の概要: 特定名称酒以外の清酒についても、こうじ米の使用割合の表示ができるようにしてもらいたい。乾燥麹を使用した場合の、こうじ米の使用割合はどのように判断するのか。

御意見に対する国税庁の考え方:こうじ米の使用割合は、特定名称酒の品質要件として定めているものであり、表示を義務付けているものではありません。したがって、こうじ米の使用割合を表示するか否かは、各事業者において判断していただいて結構です。また、こうじ米の使用割合は、乾燥麹といった麹の形態に関わらず、白米の重量に対する米こうじの製造に使用する白米の重量の割合により判断することになります。


日本酒は、麹の細かな製造工程からはじまり、麹米の使用割合の差などで大きく味の違いが生まれるのだと思いますが、消費者の僕らからすると味以外に判断のしようがないのも事実。使ってみないとわからない、というのはどの製品も同じ。製品と消費者をつなぐ動線であるストーリーをうまく設計・伝達するのが、なにをするにしても大切なのだなと思いました。